新盆の供養 – 故人を偲び、心を込めて迎える準備

はじめに

故人が亡くなって初めて迎えるお盆を「新盆（にいぼん・あらぼん）」といいます。新盆は、故人の魂が初めて帰ってくる大切な行事であり、通常のお盆よりも丁寧に供養を行う習慣があります。

この記事では、新盆の意味や供養の方法、準備すべきことについて詳しくご紹介します。新盆を心を込めて迎え、故人を偲ぶ時間を大切にしましょう。

1. 新盆とは？

新盆（にいぼん・あらぼん）は、故人が亡くなって四十九日を過ぎてから、初めて迎えるお盆のことを指します。

新盆と通常のお盆の違い

• 初めて故人の魂が家に戻るとされるため、特に丁寧な供養を行う
• 僧侶を招いて読経を行うことが多い
• 通常よりも多くの親族や知人が集まり、供養の機会となる

2. 新盆の供養の流れ

新盆では、特別な供養を行うのが一般的です。

▼新盆供養の基本的な流れ

1. 白提灯を飾る

   • 故人の魂を迎えるため、新盆では白い提灯（新盆提灯）を用いる
   • 通常のお盆では色付きの提灯が使われるが、新盆では白が基本

2. 僧侶を招いて読経を行う

   • 菩提寺に依頼し、新盆の供養としてお経をあげてもらう
   • 自宅やお墓、寺院で供養を行う場合がある

3. お供えを用意する

   • 故人が生前好きだった食べ物や果物、お菓子などをお供えする
   • 精霊馬（きゅうりやなすで作る馬や牛）を供え、故人の霊が家に戻るための乗り物とする

4. 親族・知人を招き、故人を偲ぶ

   • 新盆では、家族や親しい人が集まり、故人を偲ぶ時間を大切にする
   • 会食を伴うことが多いが、近年では簡素化する家庭もある

5. 送り火を焚く

   • お盆の終わりに「送り火」を焚き、故人の魂をあの世へ送り出す
   • 地域によっては精霊流しや灯篭流しを行うことも

3. 新盆の準備とマナー

新盆の供養を行うにあたり、準備すべきことやマナーがあります。

［準備するもの］

• 新盆提灯（白提灯）：故人の魂を迎えるために用意
• お供え物：果物・精進料理・故人が好んでいた食べ物
• 仏具・線香・ろうそく：供養を行う際に使用
• 迎え火・送り火の道具：故人の霊を迎え、送り出すため
• 香典返しの準備：新盆供養に参列してくれた方へのお礼

新盆供養のマナー

• 僧侶へのお布施を準備する：読経を依頼する際は、お布施を包む
• 供物の飾り方に注意する：お供え物は仏壇や祭壇に丁寧に配置する
• 訪問の際の服装：新盆の法要に参列する場合、落ち着いた服装（黒・紺・グレーなど）を選ぶ

4. 新盆における香典と引き出物

新盆の法要では、参列者が香典を持参することが一般的です。

香典の相場

• 親族：1万円〜5万円程度
• 友人・知人：5千円〜1万円程度
• 近隣の方：3千円〜5千円程度

引き出物の準備

新盆の供養に来てくれた方へ、香典返しとして引き出物を用意します。

• 一般的な品物：お茶・お菓子・タオル・洗剤など
• 相場：香典の半額程度を目安にする（半返し）

まとめ

新盆は、故人が亡くなって初めて迎えるお盆であり、特に丁寧な供養を行う習慣があります。

• 白提灯を飾り、故人の魂を迎える準備をする
• 僧侶を招き、読経を行い、家族や親しい人と供養をする
• お供え物や精霊馬を用意し、心を込めてお迎えする
• 送り火を焚いて、故人の魂を見送る
• 香典や引き出物の準備を整え、供養の流れをスムーズに進める

新盆は、故人と過ごした日々を振り返り、感謝の気持ちを伝える大切な機会です。形式にこだわりすぎず、心を込めた供養を行うことが大切です。